看護師にはいろんな働き方が!

病院も規模や場所によって様々な活躍の場があります。看護師を目指すor転職するなら、どのような活躍の場が自身に合っているのかをしっかり吟味した上で目指したい看護師像を見つけましょう。

● 大学付属や県立の病院
「病院」と聞くとある一定のイメージが思い出されますが、規模や種類によって様々な勤務環境があります。
一般的に使っている「病院」とは、ベット数が20以上の入院設備を持っている医療機関のことを指します。それ以下のベッド数の場合はクリニックや診療所、医院などの名称になっています。
県立病院や大学付属病院、ベッド数が100床以上の病院は、内科・外科・耳鼻科等の通常の一般外来のほかにさらに心療内科や脳神経外科、リハビリテーション科、ホスピス・緩和ケア科等、多様な科が充実しています。
また、夜勤がほとんどあり、勤務形態を2交代制や3交代制等で行います。小さな病院に比べて職員数が多いため、勤務は変則的ですが比較的休日を取りやすいといえます。こういった大病院は若い人が比較的多くなっています。
研修制度や教育体制、医療設備が整っていることもあり、スキルアップして専門性をより高めて行きたい上昇志向の強い看護師が数多く勤務しています。

● クリニック
クリニックや診療所等は、19床以下の入院設備がある病院です。無床診療所もあります。
クリニックや診療所は夜勤が少ないため、日中を中心に働きたい既婚者やパート希望者も多く働いています。地元の人が通いやすく地域の医療を支える大切な役割を担っています。
クリニックや診療所は、内科や外科等、その病院の専門性を明確にしています。そのため対応する病気の種類は比較的絞られてきます。そのかわり乳幼児から高齢者まですべての年代の患者さんが来院しますので、幅広い年齢層にわたる病気の知識が必要になってきます
高齢者の方は特に何度も定期的に通う方も多いため、顔なじみになりますからその人の持病等把握しやすく深く長い付き合いになることもあります。

● 保健所・市町村保健センター
「保健師」の資格を取得することで都道府県にある保健所や市区町村の保健センターで働く道もあります。
保健所・市町村保健センターでは、地域住民の病気の予防と健康管理を行うことが主な仕事です。例えば病気の予防や健康を保持増進させるための「健康指導」その他の保健活動を行います。成人だけが対象ではなく、乳幼児の健康管理をしたり、妊婦や障害のある人、高齢者、寝たきりの在宅療養者等、幅広い人々の健康を支えていくための様々な活動をしています。
もっともよく知られているのが集団検診の実施ですが、他にも母親学級や家庭介護教室等を開いて指導したり、心や体の悩み相談、必要に応じて家庭訪問をするなどの支援活動をしています。
時には健康問題だけでなく家庭の問題まで深く踏み込まなければならないこともあります。人に対する深い理解と幅広い知識、誰もが信頼して相談することができる人柄が求められます。

● 学校の保健室
子供と接することが大好きな人にとってやはり憧れの職場です。学校の保健室で1人で勤務することになりますから、少なくとも100名以上の児童・生徒の健康管理をすることになります。そのため健康情報の管理等、事務処理的な仕事も必要になります。急な怪我や病気などの対応だけでなく、健康のための教育指導も行います。もし何かあれば自分ひとりの肩にかかってくるわけですから、大変責任重大です。看護師にもなりたいけれど教師にもあこがれる方にとっては大変魅力的な職場です。
小学生でも大変深い悩を抱える子供が増えてきました。時には悩みを聞いて相談に乗る等、心の支えとなるようにメンタル面に関する知識と技術も必要です。

● 社会福祉施設・介護保険施設
社会福祉施設や介護保険施設ではご老人一人ひとりに合った適切な介護や看護が必要です。そのため、介護度や健康状態のレベルを把握して健康上の相談や助言、家族への指導などを行い、快適な日常生活を送ることができるように支援します。
医師と協力死ながら利用者の健康管理を行うとともに、医学的知識や観点からケアのあり方についても検討します。
働く人の資格が医療分野だけでなく介護・福祉の分野にまたがっていますので、それぞれの専門家とチームとして連携しながら仕事をします。老健では、ケアチームのリーダーとして活躍する場合もあります。

● 助産師
一般的に助産師と聞くと、出産時に立ち会って赤ちゃんを取り上げることが仕事と思われがちです。現在では助産師の仕事は出産直後だけではなく、妊娠時の母体の体調管理、妊婦の健康管理について食事や運動などの生活指導。出産後にも母体の体調管理だけでなく授乳・育児について細やかな指導を行っています。
また助産師といえば妊婦だけが対象と思いがちですが、産前教育や家族計画などの指導から更年期障害、頻尿等に関する指導・支援まで、女性の一生を通して女性特有の悩みについて幅広く相談に乗ってもらえる存在でもあります。
助産師は自分で開業することが許可されます。そのため助産師の資格取得のためには、大変苦労しなければなりません。4年制の看護大学の看護科に進学し、看護師と助産師の同時資格取得をします。看護師国家資格の免許を持っている場合は、さらに助産師学校に1年間通う必要があります。これがかなり狭き門なのです。助産師になるためには長年にわたる根気と熱意をもって勉強することが求められます。